病院へ連れて行く目安は何日?
犬がご飯を食べないでも過ごせる健康に特別影響しない時間は2日までと言われています。
健康な犬で元気な様子であり、ご飯を食べない以外は普段と変わらないなら、1日くらい食事を食べなくても大きな問題はないでしょう。
しかし、老犬で持病を持っている場合は家で様子を見るのはおすすめしません!
普段と変わった様子がある場合は、なるべく早く病院で連れていきましょう。
目次
老犬がご飯食べないで寝てばかりいる原因は「病気」
老犬がご飯食べないで寝てばかりいる原因は、病気による体調不良の可能性があります。
老犬で特に持病を持っている場合は、いつもと様子がおかしいと感じたら、できるだけ早く病院へ連れていきましょう。
いつもと様子が違う場合はすぐに病院へ!
我が家の愛犬チワワも14歳10カ月の頃に、ご飯をほとんど食べなくなってしまいました。
初期の心臓病を患っていて、下痢をしたり血便が出ることもよくありました。
「胃腸の動きが悪いから」と病院で下痢止めの薬をもらっていました。
その日も血便が出ていて、いつもならすぐに病院へ行くところですが、忙しくてなかなか病院へ連れて行くタイミングがありませんでした。
「いつものことだ」とおやつやチュールなど柔らかいものを与えながらやり過ごし、ご飯を食べていなくても様子を見てしまったのです。
家で様子を見ていても、体調が良くなることはなく悪化するばかりです。
愛犬ここじいを病院へ連れて行った時には痩せ細り、体重がかなり減ってしまっていました。
毛並みもツヤがなく目は虚ろになり、先生の様子から覚悟した方がいいのかもとさえ感じました。
腎臓病と診断させて1日置きの点滴が始まる
診断結果は「腎臓病」でした。
脱水症状を起こしていて、すぐに点滴をしてもらいました。
尿毒症で、本来なら腎臓から排泄される体の老廃物や毒性物質が、腎臓の機能が著しく低下することで排泄されず、おしっこの回数も減ってしまっていました。
血中に残ってしまうことで全身に毒性物質が回り、ご飯も食べられなくなってしまっていたのです。
1日置きの点滴と体の毒素を吸収してくれる炭を薬として与えることになりました。
犬の腎臓病
腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体の外に排出する役割を担っています。
腎臓の機能が下がってしまい、老廃物がうまく排泄できずに身体に貯まってしまう状態を「腎不全」といい、腎臓病の一種です。
腎臓病といい、急性のもの(急性腎障害)と慢性のもの(慢性腎臓病)に分けられます。
急性腎障害
数時間から数日という短期間で腎臓の働きが低下し、短い時間のうちに無尿(尿が作られない)、乏尿(尿量が著しく減少すること)、食欲不振、下痢、嘔吐、脱水などの症状がみられます。
重症になると痙攣や体温低下、電解質(ナトリウムやカリウム等)異常などを起こし、死に至る場合もあります。
慢性腎臓病
急性腎不全と異なり、長い経過をたどり腎臓の働きが徐々に低下して腎不全に至ります。
初期は無症状な期間がありますが、その後、飲水量が増え、尿量が増す多飲多尿の症状が現れ、体重減少や嘔吐、貧血などの症状がみられるようになります。
尿毒症まで発展すると元気消失、下痢、痙攣などの症状も引き起こすことがあります。
老犬の場合はほとんどが「慢性腎臓病」
高齢犬の場合は、ほとんどが老化により腎臓の機能が徐々に落ちて行く「慢性腎臓病」です。
初期は無症状で気づかれないことが多いですが、病気は徐々に進行し、治療しても完治することはありません。
そのため、犬の慢性腎臓病では早期発見、早期治療を行い、病気の進行をできるだけ遅くすることが大切です。
寝てばかりでも食欲はあるなら大丈夫?
犬も老犬になると、朝起きなかったり、食欲が減ってきたり、散歩に行きたがらないなど、活動的ではなくなってしまいます。
寝ている時間が増えるのは仕方ないことですが、他にも以下のような症状がある場合は病気を疑いましょう。
- 体重が減って痩せてくる
- 毛艶が悪くなる
- 水を飲む回数が増える
- おしっこの回数が増える、または減る
- 嘔吐や下痢の回数が増える
- 散歩に行きたがらない
少しでも「おかしいな」と感じたら、早めに病院で診察を受けることが愛犬と長く一緒に過ごすための1番の治療です。
慢性腎臓病の一般的な余命
慢性腎臓病は、高齢、遺伝、腫瘍、感染症など様々な原因で腎臓の機能が低下し、徐々に腎臓がダメージを受けます。
年齢とともに発症する確率は上がり、一度発症すると数ヶ月から数年にわたって進行していき、最終的には腎不全や尿毒症に至ります。
慢性腎臓病は血液検査によるCre(クレアチニン)やSDMAといった数値や、尿の状態等でステージが分類され、一般的には診断されてから1年半~2年が余命と言われています。
多飲多尿で尿の色が薄くなる傾向にありますが、その他に、症状が進行している老犬の場合は、食欲不振や体重の減少、便秘や下痢症状、痙攣を起こすこともあります。
特に痙攣は末期に起きやすく、早急な医療機関受診が必要です。
ステージ | 段階 | 残っている腎機能の割合 | 平均生存期間 | 身体の変化 |
1 | 超初期 | 33~100% | 400日以上 | 症状はほとんど見られない。 血液検査・尿検査だけでは見落とされる可能性もあり。 |
2 | 初期 | 25~33% | 200~400日程度 | 無症状、もしくは症状はあっても軽度。 食欲不振や元気消失なども少なく、多飲多尿の症状で初めて判明することも多くある。 |
3 | 中期 | 10~25% | 110~200日程度 | 明確な症状が見られるようになる。 断続的な食欲不振、多飲や体重減少、脱水、毛並みの変化、嘔吐・下痢、無気力、血尿、胃腸障害や貧血などの症状が現れることもある。 |
4 | 末期 | 10%以下 | 14日~80日程度 | 尿毒症に陥り、食欲廃絶、沈鬱や痙攣、意識障害、呼吸の異常などが見られるようになる。 尿は濃縮されず薄くなり、量が少なくなったり、全く出ない等、これまでに挙げた全ての症状が現れる。 |
ステージ4では、末期の腎不全で積極的治療をしないと生命維持が困難となり、最悪の場合には、これ以上苦しませないように支持療法(緩和ケアのようなもの)をすることもあります。
腎臓病の犬が長生きするために家庭でできる対処法
まず、腎臓病と診断されたら、獣医師と相談して治療法を決めましょう。
腎臓病の場合、動物病院への通院は必須です。
きちんと病院での治療を受けた上で以下のことに気をつけます。
- 支持された薬をきちんと与える
- フードを与えて栄養をつけさせる
- 水分の摂取量を管理する
- 食事の管理をする
とはいえ、病気が進行し、体調が悪く食欲がなくなってしまっている犬にご飯を食べさせるのは至難の業です。
シリンジを使って、栄養をつけさせる
まず、どんな病気も食べないことには栄養がつかず、体調は回復しません。
ご飯を自分で食べるだけの元気がない時は、シリンジ(注射器)を使ってフードをドロドロに溶かして与えることが大切です。
我が家では、シリンジを使って無理やり口を開けて流し込むという方法を取っていました。
薬も無理やり口を開けて喉の奥の方に入れて飲み込むようにしていましたが、どうしてもダメな時は溶かしたフードに砕いた薬を入れて飲ませていました。
手作りご飯を与えてみる
シリンジを使ってご飯を与えて、徐々に食べてくれるようになり、自分で食べる気力が出てきた時は手作りご飯がおすすめです。
もちろん飼い主が調理をして与えてもいいですが、素材の分量や味付けの仕方などを間違えてしまうと、腎臓病の犬には負担になってしまうこともあります。
値段は高くなってしまいますが、犬用に作られた手作りご飯を購入するのがおすすめです。
手作りごはんは老犬でも食べやすく、柔らかくて水分もたくさん摂れるため、おすすめの食事法です。
少量ずつ小分けになっているものもあり、簡単に与えることができるものもあります。
カリカリなら「Dr.宿南のキセキのごはん」がおすすめ!
手作りフードを食べてくれる元気が出てきたらカリカリフードを混ぜてみたり、カリカリのドッグフードのみで与えてみると食べてくれることがあります。
我が家のここじいがハイシニアになり、病気を患っても食べてくれたのが「Dr.宿南のキセキのごはん」です。
カリカリなのに、とても柔らかく少ない力ですぐに潰すことができます。
歯が弱ってきて、硬いカリカリのドッグフードを食べなくなってしまったここじいも「Dr.宿南のキセキのごはん」だけはふやかしたりせずにそのまま食べてくれるので助かっています。
「Dr.宿南のキセキのごはん」には、心臓サポートや腎臓サポートなど、病気に合わせたご飯もあって本当におすすめです。
ここじいは、2024年2月に腎臓病と診断されて、一時期は本当に一カ月持つかも怪しい容態でした。
私は、愛犬チワワであるここじいの様子に気づいていながらも様子見してしまい、危うく命を落としてしまうところまで来ていました。
あのままもし、ここじいが亡くなっていたら、私は一生後悔していたことでしょう。
まとめ
老犬チワワがご飯を食べないで寝てばかり!元気がない時に様子を見るのは何日かについてまとめてきました。
病院で腎臓病と診断された時には、「何ですぐに連れてきてあげなかったんだろう」と後悔してしまい、思わず涙が溢れてしましました。
しかし、一命を取り留めて、元気になったここじいを見ていると、治療をして本当に良かったと感じています。
とはいえ、腎臓病は完治することはなく、一生付き合っていかないといけない病気です。
ここじいの今後を見守るとともに、同じご飯を食べずに寝てばかりいる愛犬をもつ飼い主さんに後悔してほしくなくまとめました。
どうか早く異変に気づいて早急に病院で治療を受けることで、家族と長く一緒に居られる愛犬が増えますように。